【活動レポート】ブロックチェーン羅針盤

ブロックチェーン推進協会 主宰の「ブロックチェーン羅針盤」の講演会に参加してきましたので、そちらのレポートとなります。

ブロックチェーンの技術的な部分は多少は理解していましたが、技術技術な話、というよりは、ビジネス視点に立った講演が多かったので非常に有意義でした。

ブロックチェーン羅針盤
2019/10/24(木)-25(金)開催 @東京国際フォーラム
(自身は10/25(金)に参戦)

主に自分が理解した要約と、考察になります。
講演者自身の意図等と異なる可能性がございますのでご了承ください。
また、自分の曲解、誤認等もあるかと思います。当情報をご利用された上での損害等に責任は負いませんのでご了承ください。

なお、講演者様、講演企業様と弊社の直接の関係はございません。
ご興味やご質問がある方は、直接コンタクトください。

1. 【特別講演】「WHY BLOCKCHAIN なぜブロックチェーンなのか?」

株式会社INDETAIL 代表取締役
坪井大輔氏

どうやって事業化していくか?」のお話。(技術的な話はあまりしません。)

「Why?INTERNET」といった時に、誰も技術の話はしませんよね。(TCP/IPがどうの・・・とか)
「Why?BLOCKCHAIN」といった時に、何故か技術の話がメインになります。
そうではなく、それを使って何をするのか、を広めていきたい。

BLOCKCHAINの本質は、技術ではなく、その思想にあります。
全てが平等で仲介や管理者に依存しない、新たな社会、組織、サービスの仕組みなのです。
中央集権から分散へ。

ビジネス的には以下を意識してブロックチェーンを考えるとよい。
・プライベートブロックチェーンの形をとる
・トークンはマーケティングツールと割り切る
・トークンを貨幣経済と戦わせない
・ブロックチェーンは事業創造の手段

時代が中央集権から分散化する方向に変わってきているので、ブロックチェーンも使われ始めると考えている。

金と権力がある世界(例えば銀行システムなど)にブロックチェーンは必要ない。
無理に既存システムをブロックチェーンに置き換える必要はない。むしろコスト高になることが多い。
お金がなくて新しいシステム(仕組み)が作れない、といった「弱い世界」に、ブロックチェーンが適していることが多い。

よく「トークン」と「ポイント」の何が違うか?ということを聞かれるが、別に違いはない。
技術要素としてブロックチェーンを使っていたら「トークン」と呼んでいるだけで、本質的には「ポイント」と同じ。

事業化を考える時は「トリガー」と「リワード」の設計が大事。

ブロックチェーンの特徴を活かした事業創造には「中央集権型」のビジネスモデルを「分散型」にできるか?そのイメージができるか?これが大切。
これが一番ハードルが高いのでは、と感じている。頭の考え方をガラっと変える必要がある。
考え方のヒントとしては、バンドルされているものをアンバンドルし、(箱にバンドルするのではなく)ネットワークとしてバンドルする。こういった頭の使い方がよいのではないか。

ブロックチェーン事業例

1. 「ISOU」プロジェクト

ISOU PROJECTの取り組み、PoCについてご紹介します。高齢・過疎化による地方の交通インフラ/経済の衰退という課…

過疎地の新しい移動手段。(PoC済)
お住まいの町内で買い物などをすると、トークンをチャージできる。
そのトークンを使って、配車タクシーのような形でトークンが利用できる。
※過疎地は電車もなく、バスも不便で、特に高齢者にとっては移動が大変という課題がある。

このトークンは移動手段にしか使えないトークン。(リワード)
チャージするには町内でお買い物などをする必要がある。(トリガ)
こうすることで、町民が町内にお金を落とせるという経済循環が作れる。
移動も便利になる。
トークンを購入したり換金したりするわけではないので、既存貨幣(日本円)と戦うわけでもない。

2. RISO TV

今のテレビにはネットワーク機能が搭載されていることが多い。
なので、テレビ同士をブロックチェーンでつないでしまおう、という発想。

災害時の有効活用を考えている。
例えば、洪水災害時、避難情報をテレビに向けて発信する。
自分がテレビに対して「非難する」と送信。
ブロックチェーンで周囲とつながっているため、隣の人が非難したかどうかも把握でき、もし非難していなかったら呼んで一緒に逃げる、といった行動につなげることもできるはず。

3. RISO ENERGY

電気自動車の充電は、ガソリンとは違って充電時間がかかる。
つまり、ガソリンスタンドのような配置数ではまったくダメで、いたるところにEVスタンドを作る必要がある。

このEVスタンドも、ガソリンスタンドのような中央集権型ではなく、電気があれば個人で事業ができるような分散型のサービスとして作れるのではないか。

感想

ブロックチェーンの事業例は「なるほど」と思わせられた内容であり、お聞きしていて「ワクワク」する内容でした。
「ワクワク」したのは、確実に素晴らしい価値を創造できている内容であり、さらにブロックチェーンならではの内容だったから、だと思います。

2. 【解説】金融関係者が知っておくべきサイバー空間の脅威情勢~ネット取引時代のAML対策と疑わしい取引検知~

株式会社 Geolocation Technology 代表取締役社長
兼 静岡県警察 サイバー犯罪対策テクニカルアドバイザー
山本敬介氏

Geolocation Technology社は、日本で唯一、IPアドレスから位置情報を導き出すサービスを提供している会社。

金融機関は、マネーロンダリング防止のために「疑わしい取引」を監視する義務が課せられている。(日本はFATFから強い勧告を受けており、より力を入れて対応していく必要がある状況である。)
「疑わしい取引」を発見するための事例の一つが、「IPアドレス」基点の確認。(金融庁からもそういった事例が提示されている)

犯罪者は本当に操作しているIPアドレスがバレないよう、色々と偽装をして送信をする。
プロキシを利用したりVPNを利用したりと色々と技術はあるが、特に「Tor(トーア)」という仕組みについて解説。

※技術的はお話はWikipediaを参照ください

3. 日本における現行の会計・監査基準における、仮想通貨およびブロックチェーンの取扱い、今後の対応について

BCCC監事
兼 PwCあらた有限責任監査法人 パートナー 公認会計士
PwC Japan フィンテック&イノベーション室 室長
鈴木智佳子氏

会計面におけるブロックチェーンへの対応は「資金決済法」「金融商品取引法」がメイン。
仮想通貨は、その市場によって会計評価も変わってくる。
ビットコインやイーサリアムのような「活発な市場」の仮想通貨であれば、時価評価。
マイナーな「活発でない市場」の場合、取得原価。

監査面におけるブロックチェーンへの対応は、今までの仕組みとは異なる点を注意する必要がある。
ブロックチェーンの記録を証拠とすることになるが、そもそも監査できるような仕組みがあるのか。利用しているブロックチェーン自体の仕組みや運用が信用できると証明できるのか。今までは当たり前に取得できたシステムログなどが、利用しているブロックチェーンにあるのか?など。
ブロックチェーンの設計時点から、そういった監査を意識した設計としていかないといけない。

4. 【解説】「いまさら聞けない金融関係者のためのブロックチェーン講座」

BCCC代表理事
兼 アステリア株式会社 代表取締役社長/CEO
平野洋一郎氏

※ブロックチェーンの技術的な(簡単な)解説。(当記事では割愛)

「組織」の目線で考えた時、「密結合」→「疎結合」→「動結合」の形で変わっていくと予想される。
「動結合」とは、仕事内容に応じて柔軟に体制を組み(コラボし)、スピード感を持って対応していく時代。
そんな時代のボトルネックになるのが、「仕事」そのものの前後にある「契約」と「支払」。(手続きのスピード感が合わない)
「契約」と「支払」はブロックチェーン技術を使えば解決できるはずであり、いわば、ビジネスプロセスの根幹にブロックチェーンが適用されていくことにいなるだろう。
(「動結合」は平野氏が定義した言葉、とのことです。)

感想

まさに自分自身が「動結合」の形で仕事をしようと準備しているわけであり、ブロックチェーンの講演会からそのようなお話が聞けるとは夢にも思っていなかったです。(^^;;;
無駄なリードタイムを排除し、本質(仕事内容そのもの)に時間を当てられる。これはとても価値のある仕掛けになりますね。

5. 【パネルディスカッション】ブロックチェーンに関する銀行の取り組みのこれから

パネリスト
平野洋一郎氏

BCCC副代表理事
兼 カレンシーポート株式会社 代表取締役 CEO
杉井靖典氏

森・濱田松本法律事務所
増島雅和氏

銀行×ブロックチェーンの現状や課題、未来に関するパネルディスカッションでした。

FinTechに関してもそうですが、金融機関、となるとやはり「法律」が大きく関わってきます
例えば「資金決済法」の適用企業だと、資金移動業としての「1回の送金は100万円」まで。
具体的には、(銀行ではなく)PayPayのようなサービスでAさんからBさんに資金を移動する場合、法律上は100万円までしかできない、ということですね。
これは、BtoC、CtoCレベルだと大丈夫ですが、BtoBを考えると小額すぎて使い物になりません。
この「100万円まで」の制限が上がると、ビジネスが広がるというわけですね。(拡大しよう、という動きはあるそうです。)

その他、Facebook提言の「Libra(リブラ)」についても言及。
多国の通貨と交換できるのであれば、これは通貨というよりもただの投資信託なのではないか。
国をまたぐとそれぞれの国の法律が適用されてくるので、課題が山積みだ、という感じでした。

総括

ブロックチェーンに関して、ビジネス的な側面から技術的なお話、会計、監査と、幅広い知見をいただけた講演会でした

全ての講演に出る必要はない形ではありましたが、自分は全て参加。(10/25(金)分)
ただ、講演の合間が15分ずつしかなく「お昼いつ食べるんだこれ・・・」状態でした。
(あらかじめタイムスケジュールは分かっていたので、軽食は持参しておきましたが・・・)

「ブロックチェーン推進協会」ですので当たり前ですが、ブロックチェーンという技術に前向きに向き合い、よい価値を出していこう、うまく適用していこう、ということがすごく感じられた会でした。

弊社として、現時点でブロックチェーン自体の開発を行う予定ははないですが、価値を創造する際の技術選定の1選択肢として、大きな可能性を感じました

本講演でも何度もお話にありましたが「解決したい課題ありきで、ケースによってブロックチェーンが使えるかもしれない」という順番。
手段と目的を混同し「ブロックチェーンを使うと何ができるだろう?」という発想にならないよう、要注意ですね。

弊社の理念においても「そもそも」が非常に大切なことですので、すごく共感のできた講演会でした。

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更新履歴

2019/10/25 新規作成
2019/10/26 「4. 【解説】「いまさら聞けない金融関係者のためのブロックチェーン講座」」の内容、感想を追記

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