【活動レポート】GHELIA EXPO TOKYO 2020

AIに関する有識者が集いそうなEXPO。純粋に興味もあり、参加させていただきました。
そちらに参加してきたレポートです。

GHELIA EXPO TOKYO 2020
2019/11/21(木) @浜松町(東京)

主に自分が理解した要約と、考察になります。
講演者自身の意図等と異なる可能性がございますのでご了承ください。
また、自分の曲解、誤認等もあるかと思います。当情報をご利用された上での損害等に責任は負いませんのでご了承ください。

なお、講演者様、講演企業様と弊社の直接の関係はございません。
ご興味やご質問がある方は、直接コンタクトください。

1. 【スペシャルトーク】(Fireside Chat)先端研究者に聞く「AIが拓く未来」の虚と実

<スピーカー>
理化学研究所 革新知能統合研究センター センター長
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授 杉山将氏

ギリア 代表取締役社長 兼 CEO 清水亮氏

<モデレーター>
日経BP総研 イノベーションICTラボ 上席研究員 菊池隆裕氏

AIで論文をサマリしたい、というニーズは多い。

AIの利用というと「コストカット」「新しいマーケットをつくる」が挙げられる。
ただし「新しいマーケットをつくる」分野はまだまだこれから。

「無駄があるかをAIで知りたい」ということが今は多い。
しかし、人手も少なくなっていく時代、「理論上は人でできるけどやりたい人がいない」という仕事をAIにしてもらう、という考え方もできる。
これはコストカットではなく、価値創造にあたる。
例えば、上述の「論文をサマリする」といったことや「通行量調査(よく交差点などでカチカチと交通量をカウントしているような調査)」は、「理論上は人でできるけどやりたい人がいない」というケースになる。

AIがテストされていない分野というのは、ほぼないのでは。

「相関」と「因果」についてはよくよく気をつけないといけない。
ディープラーニングを使うと「相関」は見えてくるかもしれない。
しかし、その「相関」が「因果」にあたるか、というとそうではないケースが多々ある。

これからは「便利」よりも「気持ちいい」が、AIに求められる要件になると考えている。
「個別最適」をつきつめると、実は「全体最適」になっていく。
そういったことが求められると思う。
今はルールを作って頑張って「全体最適」となることを目指している。
※税金を集めて、それを分配して、といった行為はルールで頑張っていることである。

ビジネスでAIを使おうとする際のお願いとしては、AIの技術のコンセプトを浅くてもよいので知ってください、ということ
AIの技術のコンセプトが分かっていないと、そもそも話がかみ合わず無駄な時間を使ってしまう。
AIへの過度な期待以前に、「それ、Excelでできるレベルのお話じゃん、、、」ということもある。

しかし、これは情報学がまったく分かっていない人たちまで、AIをきっかけに情報を使おうと興味を持っているということである。

2. 【特別講演】ギリア「みんなのAI」構想の全貌

ギリア 代表取締役社長 兼 CEO 清水亮氏

パーソナルAI「共生型AI」。
一人にひとつずつ持つAIのイメージ。

よいAIを作るポイントは「データ収集のタイミングで、いかにいいデータを確保できるか」「データクレンジングがしっかりとできるか」である。
つまり、入口が一番のポイントである。
この後の工程(分析したり、モデルを作ったり)は汎用的な技術がたくさんあり、誰が実施してもそんなに違いは出ない。

例えば画像データであれば、入口は写真や動画となる。
この部分について、ギリアは世界最高峰のセンサー技術を持つソニーとタッグを組んでいるため、良質なデータが確保できる。

AIの使い方としては、家庭教師のトライで適用した事例がある。
受講者の弱点(理解ができていない部分)を把握するためにテストを行うが、そのテストに時間がかかるため、現実的に何度も実施することができない。
AIを利用して効率よく弱点が分かる仕組みを作ったため、高頻度でテストができるようになった。

3. 【パネルディスカッション】AIチップ、ロボット、ドンキーカー、遊びのIoTから未来は変わる

<パネリスト>
角川アスキー総合研究所 主席研究員 遠藤諭氏
144Lab 取締役 最高戦略責任者 九頭龍雄一郎氏
アスラテック 技術普及推進部部長 ロボットエバンジェリスト 今井大介氏

<モデレーター>
日経BP 技術メディア局長補佐 中村建助氏

テクノロジーの大波は「オモチャ」のようなモノからやってくる。

「作るって楽しい」

個人で集まって楽しむような創作は、Googleの20%ルールのようなもの。

新しい企業は、データがソフトウェアが中心の企業が多い。

4. 【パネルディスカッション】AR/MR/VRとAIの融合がもたらす世界

<パネリスト>
東京大学大学院 教授
ソニーコンピュータ サイエンス研究所 フェロー/副所長 暦本純一氏

エクシヴィ 代表取締役社長 近藤義仁氏(GOROman)

AR三兄弟 長男 川田十夢氏

<モデレーター>
ギリア 代表取締役社長 兼 CEO 清水亮氏

一瞬で他の人になれるのがVRの未来だと思っている

アニメ業界もウォーターフォール。
VRを使えばそこを変えていけるのではないか、と考えている。

テクノロジーは感性を豊かにするもの。

VRであれば、ロール(=役割)を変えることができる。
例えば、教師と生徒の立場を入れ替えて体験してみるとか。

5. 【特別講演】ノーベル・チューリング・チャレンジ ~2050年までにノーベル賞を 受賞するAIが出現する

ギリア 取締役会長 北野宏明氏

人間に価値観が近いAIが作れるか
それがポイント。
例えば、虫の病気を治す素晴らしい発見をしたとしても、人間にはありがたがられない。

人間が見えないものがAIには見える。(人間だと先入観があり、その枠から抜け出すのは難しいため。)
人間の知恵を使って成功した人工知能はない

ビッグデータは人間のデータである。
それに基づいて作った「アルファGo」よりも、何もないところから学習させた「アルファGo Zero」の方が圧倒的に強くなった例からもそれが分かる。

AIがノーベル賞を取得する一番の障壁は、人間ではないものが受賞できるかどうかだ。笑

考察

内容がものすごく面白く(ワクワクする)、とても満足度の高いEXPOでした。

お話されている方が皆様楽しそうにされており、このような働き方が未来を創っていくのだ、と思いました。
個別の製品や事例のお話、というよりは、AIの未来を語ったEXPOでした。(製品の展示などはありましたけど。)

自身の知識のアップデート、といいよりは、もの凄く多くのエネルギーをいただけたような内容でした。

〜以下、若干余談ですが〜

ギリアCEOの清水亮氏は、2013年頃に発売された「enchantMOON」という製品を作った人だと知りました。
「enchantMOON」は私も興味を持っていた端末でしたが、ネットの評判がかなり悪かったのでさすがに購入をためらったものでした。
今回のEXPOで「enchantMOON」のお話もしていただき、コンセプトが少し分かった気がしました。
実現できていたらもの凄く面白いものになった気がします。

こういった方がCEOをされている会社って、、、とても面白そうですね。

製品そのもののページはなさそうですので、「enchantMOON」については以下の関連記事をどうぞ。

ASCII.jp

発売から一年が経過した「enchantMOON」。8月22日にTwitterを賑やかせたユビキタスエンターテインメント代…

enchantMOON を使ってみて気になったことを書き留めておきます。 未来の enchantMOON のために。…

お昼はサンドイッチをいただきました。
ごちそうさまでした!

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