【メルマガ】広告トラッキングブロックの次は、メール?(2021年08月10日)

「広告トラッキング」に関する風当たりが相当強いですが、次は、メールトラッカーが注目されそうです。

6月のApple WWDC(開発者会議)でも、秋にリリースされるiOS15にて、「メールプライバシー保護」が実装されます。

今回は、メールトラッカーについて考えてみます。

メールトラッカーって?

マーケティング関係者でなければ、おそらくほとんどの方が知らないかと思います。

メールトラッカーというのは「誰(=メールアドレス)がメールを開封したか」をトラッキングする仕組みのことです。
メールを開封すると、「開封したよ」ということが配信元で分かる仕組みです。

企業のメールマガジンなどでは、この開封率を1つの指標としても使っています。

メールは、Webサイトのトラッキングほどゴリゴリできるわけではありません。
(メール上で動的な処理の多くは動かない)

開封したかどうか、あとは、メールにあるURLをクリックしたかどうか、といった点が、メールトラッキングの基本となります。
(URL先のWebサイトで続きのトラッキングを実施していると思われますが)

開封確認の仕組み

一般的には「トラッキングピクセル」というリンクがメールに埋め込まれています。
目に見えない1ピクセルの画像URLであり、このURLが、受信したメールアドレスごとにユニークなコードが割り当てられています。

この「トラッキングピクセル」の取得要求を行うと、サーバ側でリクエストを検知=その人が開封した、と判断するわけです。

メーラーにもよりますが、「HTMLメールを自動で読み込む(自動で画像を表示したりする)」設定にしていると、「トラッキングピクセル」も一緒に要求するわけですね。

逆に言うと、HTMLを読み込まなければ、開封しても「開封した」と認識されません。
(企業によっては、HTMLの表示をブロックしているケースもあると思います。詐欺メールのリスクも低減できますので。)

また、受信するとHTMLを自動で読み込むような場合は、開封していなくても「開封した」と認識されるケースがあるでしょう。

ようするに、開封確認はあまり完璧ではない、ということですね。

なお「URLクリック」については、メールに貼り付けるURLは「管理サーバのURL」としておきます。(固有のキーが含む)
そこを経由し、最終的なURLにリダイレクトする仕組みです。
経由した時点で、リンクのクリックがあったことを「管理サーバ」で把握できるわけですね。

ちょっとやりすぎ?

詳細な仕様は把握できていませんが、iOS15ではこの「トラッキングピクセル」を読み込まない動きをするものと思われます。
(プライバシーをONにした場合)

しかし、個人的には「ちょっとやりすぎでは?」とも感じます。
盛り上がっている「広告トラッキング」と「メールトラッカー」では、意味合いが異なると考えているためです。

<広告トラッキング>

  • サイトを見ると、勝手に広告が表示される
  • サイトをまたいでトラッキングされ、その情報が第三者に活用される
  • オプトアウト方法も難解(事実上、できない?)
  • 「ご自身の意思」が介在していない

<メールトラッキング>

  • 能動的にメールを見る、という行為がある
  • 基本的には「ご自身で登録したメール」の配信元との通信
  • 活用するのは第三者ではない
  • 日本では「特定電子メール法」もあり、オプトアウト(配信解除)できるようにしておく必要があり(=配信拒否できます)
  • 「ご自身の意思」が一度入っている

知っている相手とのやりとりなのか、そうでないのか、というのは大きな違いだと考えます。
「開封したかを勝手に見られているようで気持ち悪い」という点はありますが、「LINE既読と同じ」といってしまえばそれまでな気がします。

受信者に「開封した」ことを伝えるメリットがあるか、というと微妙なところではあります。
しかし、企業側は、開封の確認によって「よりよいものを提供していく」ためにマーケティングをしているわけですから、大きな視点で見ると、受信者が損をするとも考えられます。
(マーケティングの費用効率が悪くなる。その受信者に対して、的外れな提供が増える。)

プライバシーをどこまで守るか、は難しい問題です。
しっかりとメリットデメリットを理解した上で、選択できる環境を作っていくことが大切だなと感じます。
Appleのやり方は「基本的にはNO」を選択させるような表示方法だと感じます。

完全にブロックできるのかはよく分からない

iOS15の仕様は不明です。
が、どこまでブロックできるのかは、イマイチよく分かりません。

  • おそらく、URLクリックの検知を防ぐことはできない
    そのURL(=管理者サーバ)にアクセスしているので、検知ブロックはできないと推察されます。
    IPアドレスなどの端末情報を隠す、などは可能かもしれません。
  • 開封検知のブロックもできるのか?
    「トラッキングピクセル」をどのように判断するかは分かりませんが、トラッキングする代替手法はあると推察されます。
    「トラッキングピクセル」を用意するのではなく、「メール本文の画像そのもの」でトラッキングすればよいためです。
    「メール本文の画像そのもの」だと、メール内容が分からなく可能性があるので、画像表示する可能性が高いと思われます。

結果的に、不毛な仕組みを作り込むだけの無駄な対応になりそうな気がしています・・・

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