トラッキング。
スマホやPCをどのように使っているかをトレースし、
(一般的には)ターゲット広告に生かす仕掛けです。
先日リリースされたiOS14.5において、
ついにATT(AppTrackingTransparency)が開始されました。
トラッキングを行うアプリは
ユーザーから同意を取ることが義務づけられました。
過去、GPS利用に対して
アプリが利用する時(最初)に「使いますよ」と同意をとる必要が発生しましたが、
それの「トラッキング」版ですね。
まだデータは少ないですが、
Verizon傘下の広告分析企業Flurry Analyticsによると
約88%のユーザーが「トラッキングはNO」を選択しているそうです。
今回はこのトラッキングについて、考えてみます。
想像以上の非承認?
大きく騒いだのは、ターゲット広告の雄、Facebook。
一旦はiOSのルールに則る判断をしましたが、
この先、もう一波乱あるかもしれません。
かたや、Googleはトラッキングの新しい仕組みを模索。
「FLoC」と呼ばれる仕組みを試験導入開始、これに置き換えていこうと目論んでいます。
※この「FLoC」はかなり悪評高く、これまた盛り上がっておりますが、
このお話はまた別の機会に。
ATT導入前から「これくらいは非承認されるのでは」と憶測が飛んでいましたが、
おそらく想像以上の非承認だったと感じます。
(約9割が非承認するという予測は、ナナメ読みしていた限り、記憶にありません。)
使い手におけるトラッキングの利益が見えない
この「トラッキング」の仕掛けにおける一番の問題点。(私見です)
それは「使い手に何の利益があるの?」という点です。
※トラッキングされているという気持ち悪さは、ここでは無視します。
「適した広告をお届けします!」と言われても、普通は「広告なんていりません」ですよね。
Facebookは「サービスを無料で提供するためにトラッキングをONにしてください」と(婉曲的に)利用者を脅し始めました。
素人感覚ですが、こういったSNSは無料でないとサービスは成り立たないでしょう。
無料だからみんなが使う。
ターゲットがたくさんいるから、広告料を払う企業がいる。
それで回っている世界です。
ビジネスモデルの変更が必要?
個人的に、広告配信を否定しているわけではありません。
くだらない邪魔な広告はさておき、必要としている人に必要な商品/サービスを届ける。
それが広告の役目でもあるためです。
しかし、使い手に明確なメリットが言えないから現状になっている。
であれば、使い手に明確なメリットを出せばよい、という発想もあります。
たとえば「トラッキングON」にしたらトラッキング代が支払われる(もらえる)、という仕掛けはどうでしょうか。
広告主からの利益配分の問題ですので、原資はありますよね。
使えば使うほど、利用者は利用料がもらえる。
「フリー」の世界を超えてきますね。
※もちろん、このような仕組みを導入したらしたで、うまく利用料を稼ぐためのノウハウが出てくるでしょうから
色々な対策が必要になるとは思いますが。。
実際問題、小銭の支払い、というのはかなりの事務コストがかかりますし。
日本でいう「情報銀行」の議論に近いですが、
情報提供者にインセンティブを与えていくことが必要な時代になってきたのかもしれません。
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One more thing
トラッキング、というかマーケティングに関するお話になります。
まだまだ問題はあれど、VR/ARの活用もジリジリと進んでいます。
過去、セミナーに参加したときのメモがありますので、ご参考くださいませ。
VR/AR関係の動向を調査しており、ちょうど良いセミナーが開催されるとのことで、参加させていただきました。 そちらのレポートとなります。 「VR/ARを活用した営業/マーケティングプロセスの変革!5Gの到来で本格普及フェーズに向かう[…]