【活動レポート】VR/ARを活用した営業/マーケティングプロセスの変革!

VR/AR関係の動向を調査しており、ちょうど良いセミナーが開催されるとのことで、参加させていただきました。
そちらのレポートとなります。

VR/ARを活用した営業/マーケティングプロセスの変革!5Gの到来で本格普及フェーズに向かう「VR/AR」がもたらす業務革命とは
2020/01/28(火) @五反田(東京)

主に自分が理解した要約と、考察になります。
講演者自身の意図等と異なる可能性がございますのでご了承ください。
また、自分の曲解、誤認等もあるかと思います。当情報をご利用された上での損害等に責任は負いませんのでご了承ください。

なお、講演者様、講演企業様と弊社の直接の関係はございません。
ご興味やご質問がある方は、直接コンタクトください。

1. 基調講演〜XR最新動向と5G時代のXR〜

HTC NIPPON 株式会社 代表取締役社長 児島全克氏

HTCは、長くVR製品を出してきた老舗であり、Facebook参加のOculusとVR製品のシェアを二分するような存在。
特に、エンタープライズ向けに強い。
「VIVE」というブランドで製品展開をしている。

VIVEは世界で一番評価、信頼されているバーチャルリアリティ(VR)ヘッドマウントディスプレイです。動画、ゲーム、教育な…

VIVEPORTというプラットフォームを用意しており、Oclus向けのアプリケーションにも生成できる。
Unityなどを利用して構築することが可能。
アプリ開発者へのフィーも高い。
ワールドワイドでの展開が可能であるため、アプリは英語と中国語に対応させておくことをオススメします。

Immerse yourself in a new realm of gaming with Viveport PC V…

VRのビジネス利用の事例が増えてきている。
ビジネス利用する、ということは、収益を生み出す仕掛けとなってきているということ。

今、VR(AR)では以下のようなことまで実現できている。

  • 3Dサウンドのパーセプション(どちらの方向から音が発生しているのかが体感で分かる)
  • 表情のトラッキング
  • ハンドトラッキング(手の動きを認識する)
  • (14種類の)オブジェクトを認識(例えば、イスが現実にあったとしたら、それをイスとして認識する)

現在開発中の機能の一例として、以下のような機能があげられる

  • 現実世界でライトがつくと、そのライトを認識し、用意したオブジェクトを表示することができる
    (光を検知し、それをトリガとして処理できる)
  • 現実世界で光が当たると、バーチャルで表示したオブジェクトも光の陰影が反映される
    (本物と見分けがつかなくなるかも・・・)

5G、エッジを利用して、端末(体に装着する機器)にストリーミングでVR/ARを表示できるようなプラットフォームを準備している。

2. 『時と場所を超える』から出来る事(VR×営業)〜VRプレゼンを2年間実施して分かった事〜

株式会社 K-engine リフォーム企画・開発部 部長 橋本健太郎氏

VRは機材の準備が大変。
営業で使うとしても、営業のメンバへの使い方のレクチャーも大変だし、お客様に使っていただくためのレクチャーも大変。
時間的にも相当な負荷がかかると考えたほうがよい。

リフォーム等の住宅の営業が事例となるが、VRがあるからといって成約率にはあまり影響がなかった、というのが、現時点の見解。
VRの一歩手前、(2Dで)イメージ動画をご提供できるだけでお客様の感動は高く、まだVRまで提供する費用対効果は低そう。
今後、2Dだと当たり前の時代が来たときに、VRが大きな力を持つことになるかもしれない。

VRは人によっては「酔う」ため、実はそういったところに壁があるかもしれない。

3. VR×営業事例紹介〜富裕層の満足度向上に向けた取り組み〜

株式会社 三越伊勢丹 河田弘貴氏

伊勢丹 新宿店(旗艦店)の高級家具コーナーで、VRを用いた営業を開始した。

営業側、お客様側の双方が具体的なイメージを共有しながら商談できるため、好評である。
VRデータをスマホで見れるようにしてお持ち帰りいただけることで、ご家族でもイメージを共有でき、さらにアンマッチ少ない商品選択が可能となった。

4. 明日のビジネスの作り方(VR×企画・マーケティング)〜顧客目線の”可視化”を活用したこれからのビジネスの可能性〜

SiB株式会社 CTO 大橋大氏

アイトラッキングのお話。

様々な業種で使える技術ではあるが、ビジネスとして使用している業種はまだ少ないのではないか。

最近は教育分野がさかんである。

(スーパーマーケットなどの)購買決定要素は、視覚が89%と言われている。
顧客目線をアイトラッキングすることで、どういった見方をして、どう選んだかが数字として出せるようになる。
今まではなかなかデータ(数値)に基づいて決定できなかったが、アイトラッキングを使えばデータに基づいた判断が可能となる。

顧客目線はVRでも変わらないため、実際にモノを用意するのではなく、VR空間上にショーケースを準備するだけでもデータの取得が可能である。

なお、アイトラッキングのデータは25人も実施できれば、しっかりと利用できるデータになるとの実感。
アイトラッキングに個人のばらつきは少ないように感じており、25人程度のデータで優位な水準になっていると考えている。

5. 営業/マーケティング業務をVR/ARで変革を〜VR/ARプラットフォームVividPlatformの最新情報〜

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 デジタルイノベーション企画・推進課 根岸秀樹氏

Vivid Platformのご紹介。
※詳細は割愛します。

VividWorks社は3Dデータをもとに製品のビジュアル表現を行うことで、販売やマーケティングを促進するアプリケーショ…

考察

VR/ARは、実用的に使えるレベルにきていると感じました。
VRのデータを作成するといった周辺環境も、随分とPlatformが整備されてきている感触です。

アイトラッキングのお話でもありましたが、VR空間であれば、実物がなくても人間のデータを取ることが可能。
逆に言うと、「危険」などの理由でなかなか取得できなかった人間データがVRなら取得できる可能性がある、ということかもしれません。
なかなかよい例が思い浮かびませんが、例えば、どこかから落ちた時の人間の動き方、とか。

ビジネス目線で考えると、まだまだVR導入コストは高く、目に見える効果はまだまだ小さいと感じます。
また、(ほぼ全ての)誰しもが親和性高そうな「iPad」のようなものの導入とは違い、VRは人によって好き嫌いが分かれそうです。
どのように折り合いをつけていくか。それがVRを使う一つの判断ポイントかもしれませんね。

個人的には「Oculus Quest」を所有して遊んでいるため、VRの威力はものすごくよく分かります。
また、VRを体験するための面倒さもよく分かります。
現時点におけるVRの普及の肝は「いかに手軽に体験できるか」という、ハードウェア制約が一番大きな要素だと感じます。

Apple CEO ティム・クック氏も「次はARだ」と公言していますし、AppleのARメガネの噂も絶えません。

本当に、これから先が楽しみな技術だと思います。

※とりあえず、個人的にはGoogle Grass欲しいのですが・・・

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実用的な情報がいただけた、有意義なセミナーでした。

(2020/03/31追記)
新型iPad Pro(2020/03発売)に搭載された「LiDARスキャナ」、ARの精度を格段に高めるものだと感じました。
簡単に検証した結果を以下に載せておりますので、ご参考ください。

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