新型コロナ対策として、国民一人一人に給付が決定された「特別定額給付金(10万円)」。
もう申請はお済みでしょうか?
この給付金、マイナンバーカード保有者であればオンライン申請可能ということで、システム的には結構なトピックスだと感じました。
しかし、(日本にしては珍しく?)急速なスピード感でことが進んだため、実際のところ、システム対応が間に合わないという事象が発生しています。
今回は、色々な情報から垣間見える内容も抑えつつ、教訓を得ます。
私もオンライン申請しました
「給付金の支給を超急いでいるわけではない」
「マイナンバーカードを所有している」
「せっかくなので」
ということで、私もオンラインから申請してみました。
初めて「マイナポータル」を使いました。
「マイナンバーカード」の認証はiPhoneを利用。
不具合等の遭遇はなく、マイナンバーの読み込みが若干面倒(アプリを切り換えて作業が必要であるため)ではあるものの、問題なく完了しました。
蛇足ですが、申請上で気になったのは、銀行口座の確認に関してです。
申請時、キャッシュカードやネットバンキングの画面にて本人口座である確認が必要です。
しかし、キャッシュカードはクレジットカードやデビットカード一体型のカードも多いです。
キャッシュカードをそのまま写真で撮って送ったらクレジットカード番号などもバレてしまうのでは、、、と感じました。
私はネットバンキングのスクリーンショットを提出し、無事に申請は受領されました。
色々と発生した事象
突貫での対応だったため、システム面、業務フロー面でも色々と問題が発生しました。
結果的に、オンライン申請を中止する自治体も相次ぎました。
- マイナンバーカードが必要であるため、「新規発行」「電子証明書発行」「パスワード再発行」などのため、窓口に殺到。(→システム遅延)
- オンライン申請と郵送の二重申請が可能
- オンライン申請自体が何度も可能
- オンライン申請時の入力チェックが弱いため、申請不備多発
- オンライン申請後の内容確認に時間がかかる
結局のところ、郵送がオンラインになっただけで、システムとして優位なはずのチェック機能がザル。
郵送とオンラインの二つの入口が出来たことで、逆にフローが破綻。
というのが現状ではないでしょうか。
システム準備が整わないと大惨事
致し方がない面は多々ありますが、もろもろ準備不足としか言いようがないでしょう。
オンライン申請システムが作業を効率にするどころか、手間を増やしてしまっていますね。
(現場の方のご苦労には頭が下がります。)
逆に、腹をくくって見切り発車で準備を進めていた自治体は、上手くさばけているようです。(これはすごいですね!)
ただ、言い方は悪いですが、以下の点は幸いだったかと感じております。
- 給付を受ける申請だったこと
二重徴収するよりはマシですね。 - 「住民基本台帳」という100点のインプットがあり、「振込」という必ずデータが残っているアウトプットがあること
最悪、時間をかければ100点の確認が可能です。
業務効率化でも同じことは言えます
ここまで期日制約があり、見切り発車で業務開始することは少ない気がします。
しかし、適切な準備なく、闇雲にシステムを利用するとこのような惨事になる可能性はあります。
- 業務フローを設計
- システム化する部位をしっかりと見極め
- システムに必要な要件を整理、構築、しっかりとテスト
- 業務が回るかのテスト実施
- 本番開始
をしっかりと行うことが、基本ですが、やはり大事なことですね。
肝に銘じていきましょう!
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One more thing
業務面、システム面でどれだけしっかりと組み立てたとしても、システムは予期せぬ不具合が発生することもあります。
一番肝となるデータベースが破損してしまった、そんな事例もあります。
両系Activeの二重運用していても、防げないシステム障害はあります。 システムをずっと動かし続ける難しさ、バックアップの難しさを感じますね。 [blogcard url=https://tech.nikkeibp.co.jp/at[…]