【サービスレビュー】「MultCloud」は利用方法によって便利にもお得にも!

先日、当サイトでご紹介した「MultCloud」というサービス。
しばらく使用しましたので、サービスレビューいたします。

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「MultCloud」って?

当記事は「MultCloud」サービスをご提供されているAOMEI Technology社様からご連絡をいただき、ご紹介しております。
なお、記載内容に対しての指示はなく、全て私の意見、判断で記載しております。

「MultCloud」とは、様々なクラウドストレージを1箇所(ブラウザ)から管理し、クラウド間のファイル転送指示やファイル同期指示が行えるサービスです。

複数のクラウドストレージ管理ツールであり、Dropbox、Box、Google Drive、Mega、OneDrive、…

(個人的には)聞き慣れないクラウドストレージも多数ありますが、以下が設定リストにあがっています。(プロトコル含む。執筆時点。)
「Google Drive」「G Suite」「Dropbox」「Dropbox for Business」「OneDrive」「OneDrive for Business」「MEGA」「FTP」「Amazon S3」「Box」「pCloud」「Flickr」「Googleフォト」「MediaFire」「MySQL」「HubiC」「Egnyte」「Putio」「SugarSync」「Backblaze」「Evernote」「Alfresco」「WebDav」「ownCloud」「CloudMe」「Cubby」「MyDrive」「Yandex」「HiDrive」「ADrive」「WEB.DE」「BaiDu」

クラウドストレージ間のデータ転送量によって課金されるモデルであり、30GB/月までの転送量であれば無料プランで利用可能です。
大容量データを転送しない限り、30GB/月もあれば十分ではないでしょうか。

MultCloudは、無料プランとプレミアムプランの両方を提供します。 月額や年額を抑えて、より多くの特典や機能をお楽し…

「MultCloud」サービス自身にストレージ容量を持つのではなく、あくまで「Google Drive」や「Dropbox」といったクラウドストレージを1箇所から管理する、というものです。
そのため、設定時は自身が利用しているクラウドストレージへのアクセス許可をしまくる形となります。

1箇所から管理するだけではなく、クラウドストレージ間の転送や同期(スケジューリング可)といった機能もあります。

クラウドストレージ統合管理

気に入った点

PC等を起動せずとも、クラウドストレージ間で直接やりとりできる

例えば、「Google Drive」と「Dropbox」のとあるフォルダを同期しようとした場合、手持ちのPCに双方のアプリをインストールし、同じフォルダを同期フォルダとして設定する方法になると思います。

しかし、「MultCloud」で設定しておけば、常時起動している「MultCloud」が勝手に処理をしてくれますので、クライアントを介する必要がなくなります。

1台しかPCを使っていない場合はそこまで利点はないかもしれませんが、複数台のPCを使用している場合、それぞれの端末に設定するのも手間であるため、地味に便利です。

クラウドストレージ障害対策に有効

昨今、クラウドの大規模障害も頻繁に発生しております。

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1箇所にしかデータがない場合、障害発生時に業務が止まってしまうことになりますが、常に複数のクラウドストレージを同じ状態にしておけば、単一障害であれば問題ありません。

個人的にはこの使い方が「MultCloud」における「お手軽」かつ「大きく有効」となる使い方だと思います。

もちろん、スケジュール間隔の設定を工夫することで、定点バックアップとすることも可能です。

クラウドストレージに留まらない

面白いのが「Googleフォト」や「Evernote」といった「単純なファイルストレージではない」サービスにも対応している点です。

また、「FTP」や「WebDAV」といった汎用的なプロトコルにも対応しており、自前のサービスと接続することも可能です。(インターネットからアクセスできる必要がありますが)

同一クラウドストレージの複数アカウントを一箇所で管理

例えば「Google Drive」のアカウントを3つ持っていたとしたら、3つともリンクを貼ることができます。
「Google Drive」は15GBまで無料で使用できますので、使い方によっては無料で大容量のストレージとすることができますね。^^;;;

クラウドストレージ間でデータを転送しないと課金対象ではないため、リンクを貼って使うだけであれば利用料金も気にする必要はありません。

残念な点

モバイルアプリが欲しい

モバイルアプリがありません。
また、ブラウザからのアクセスもスマホ表示に対応していないため、PCレイアウトでの表示となります。

1つのアプリで、複数のクラウドストレージのファイルがサクっと参照できると最高なのですが・・・
(特に、同一クラウドストレージの複数アカウントを束ねて利用できますので。)

ビューアー機能が弱い

ブラウザから「クラウドエクスプローラ」でファイルを参照することができますが、そのビューアー機能が弱いです。

PDFや画像はOK、テキストファイルは文字コードによってうまく表示できなかったり。(Shift-JISはOKで、UTF-8だと表示されません。)
Excelもうまく表示されない?(真っ白になる)
PowerPointはそもそも表示できなさそうですね。

ダウンロードしてから見ればよい、というお話ではありますが、やっぱり、ブラウザ上で表示できる方が使い勝手はよいです。

ダウンロードしたら文字化けする?

MacでSafariを使ってGoogle Driveからファイルをダウンロードすると、日本語ファイル名が化けてダウンロードされます。

設定の問題?なのかもしれませんが、結構致命的な問題な気がします。
(設定らしき設定は見当たらないですが・・・)

日本語訳がややおかしい

仕方がない部分ではありますね。
言いたいことは分かりますので、問題はないと思いますが。

「名称変更」の意味が「再命名」だったり。

各クラウドストレージのアクセスコントロールは注意

「Google Drive」にはそれ相応の、「OneDrive」にはそれ相応の、アクセスコントロールが備わっています。

個人利用であれば気にすることはないかと思いますが、他者と共有しているようなケースは、
同期や転送においてアクセスコントロール含めてどこまでうまく動作するかを確認しながら利用した方がよいと思います。

※実際に、アクセスコントロールの動作を検証したわけではありません。
また、何か問題を発見したわけでもありません。
重要な部分かと思いますので、よくご確認ください、の意味合いです。

セキュリティは、よく分からない

「MultCloud」から各クラウドストレージにアクセス権を付与してしまいますので、「MultCloud」にログインされてしまうと全てにアクセスされていまいます。
「MultCloud」自身のセキュリティレベルも外からでは判断できませんので、どのように判断するかは利用者次第です。

なお、データ転送は暗号化、「MultCloud」上にはファイル保存やキャッシュしない、OAuth認証のためクラウドストレージのパスワードは保存しない、ということは謳われております。

評価

評価:★★★☆☆

手持ちのクラウドストレージの有効活用、には最適だと感じました。
無料で気軽にお試しできるのもポイントが高いです。

しかし、UIの使い勝手が今ひとつの部分があるのが惜しいポイントですね。
「クラウドストレージ間を転送、同期させる」という意味だとUIはあまり気になりませんが、「複数のクラウドストレージアカウントを束ねて使う」という意味だと、ファイルエクスプローラとしての使い勝手がよくないと厳しいものがあります。

補足

モバイルアプリについて

上記にて「モバイルアプリがない」と記載しておりますが、現在、年内を目標に開発されているとのことです。
スマホの1アプリで複数クラウドを参照できるのは大きなメリットに感じます。これは期待ですね!

文字化け等の対応について

こちらも、現在、ブラウザの新UIを開発中とのことで、まもなくリリースされるとのことです。

余談

私個人では、「MultCloud」と同じような処理を手持ちの「NAS」を使って行っています。

常時電源を入れている「NAS」にて、「OneDrive」や「Dropbox」と同期。
その「NAS」とPCなどを常時同期、させている形です。
(つまり、PCは「NAS」とだけ同期させておけばよい。)

モノの購入が必要、管理も必要、となりますが、
大容量、セキュリティ面も手の内、である「NAS」を導入するのも一つの手かと思います。

「MultCloud」を利用する方が、圧倒的にお手軽で楽、ですけど。

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更新履歴

2020/07/31 「補足」を追加
2020/07/29 新規作成

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