【メルマガ】取引透明化法の規制対象事業者決定。どう変わる?(2021年04月13日)

昨年話題になった、楽天市場の強制的な「送料無料化」。
独占禁止法に抵触しているのでは、などの声もあり、現状は「強制」ではなくなっています。

そのような、優先的立場にある巨大プラットフォーマーに対して整備されようとしている「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」。

2021/4/1に「対象となる事業者」が公表されました。

対象は大手5社

「Amazon」「楽天市場」「Yahoo(ショッピング)」「App Store(Apple)」「Google Playストア」を持つ5社が対象です。

感覚的にも、順当な気がします。
こうしてみると「日本を発端とした企業ではない」会社が多いというところは、日本の文化を表している気がしますね。。

何が期待できる?

独占禁止法に関連する流れからできたこの法律。
大手ITプラットフォーマーが「好き勝手」に「自分たちの都合のよいように規約等を変更」し、「消費者や取引関係者に不利益を与えるのを防ぐ」ということが目的です。

冒頭に述べた「楽天市場の強制的な送料無料化」なども、楽天のみの判断では実施できなくなるのでしょう。
規約に違反したから(取引事業者との)取引を理由も言わずに停止する、といったことも、そう簡単にはできなくなるでしょう。

どこまでそういった事例を把握して、監督して、実効性を持たせられるかが、ポイントでしょうか。

まだまだ、守るべきものはある

今回の規制の対象は以下となります。
1.物販総合オンラインモール:3,000億円以上の国内売上額
2.アプリストア:2,000億円以上の国内売上額

しかし、大手ITプラットフォーマーによる不利益を与える行動はこれだけではありません。

例えば、SNS(FacebookやTwitterなど)から突然BAN(アカウントを削除)されたらどうでしょうか。

ブランディング戦略として、人件費を多大に投入して活動をしている事業者も多いです。
こうしたコストは(大手ITプラットフォーマー側の)売上には含まれませんが、現実的に利用者が大ダメージを受けます。

「利用規約に違反した」と言われても、通常、BANされた理由は個々の説明はありません。
明らかに利用規約違反な点があればまだ納得がいくものですが、身に覚えがないようなBANのされ方だと、対処のしようもありません。

※蛇足ですが、弊社ではITを利用する際、ITプラットフォームの利用はこういったリスクがあるため、「これのみに注力する」(これに全て投下する)ということは避けていただくようにご提案しております。

他にも「そもそものサービス」から不利益を受ける、というケースもあります。

例えば、Google検索からの流入が「いきなり半減」「全くなくなる」といったケースです。
アフィリエイトで収益を上げているのであれば、壊滅的なダメージを被ります。

Amazonに出品している商品が検索で出てこなくなる。
こういったこともありえますね。
インターネット上で、検索で出てこないというのは「存在しない」に等しいです。

「検索精度をより高めるため」のような言い分のみで、急に、そのような不利益を与えてもよいのか。
もちろん、事業側は、そういった大手ITプラットフォーマーのサービスを利用して利益を得ている、ということもありますが、それは一方的な利益享受ではないはずです。

難しい問題ではありますが、考えていかないといけない点だと感じます。

今回の「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」は、より公正な市場を作っていくための第一歩だと感じております。

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