【メルマガ】Flash Playerのサポート終了に見る、廃止の難しさ(2021年03月02日)

前回に引き続き、プロダクトサポート終了に関するお話です。

随分前から話題にはなっていましたが、「Adobe Flasy Player」のサポートが2020年12月31日で終了となりました。
また、それまでの「Flash Player」のバージョンにて配布していた「キルスイッチ」が起動されました。
それに伴い「Flash Player」におけるFlashコンテンツの実行がブロックされるようになりました。
※キルスイッチの発動は2021年1月12日のようです。

しかし、やはりと言いますか、事件は発生しております。

「Flash」って?

ブラウザにおいて、動画やゲームなどインタラクティブな機能を提供するための仕掛けです。
過去は、この「Flash」一強であり、何か凝った動きのあるようなことをしたければ「Flash」を使う、が基本でした。

しかしその後、「HTML5」や「JavaScript」といった世界標準的なオープン技術が進化。

「Flash」はその処理の重さやセキュリティ脆弱性問題、故スティーブ・ジョブズが「iPhoneにFalshの仕様を許可しない」と判断したこともあり、一般的なインターネット環境において、急速に絶滅への道を辿ることになります。

「HTML5」や「Javascript」といったオープンな技術に比べ、無償とはいえ一企業(Adobe)のプロダクトである「Flash」は、オープンなインターネットの世界では少し毛色が違ったのかもしれません。

事件1:中国 大連駅でのシステムが20時間にわたって不安定に

「キルスイッチ発動」後、鉄道システムが不安定に。
鉄道運行が停止する事態となりました。

原因は、もちろん「Flash」が起動しなくなったため。

取り急ぎ、古いバージョンの「Flash Player」をインストールし、稼働させたようです。

事件2:南アフリカ歳入庁のオンライン手続きシステムの一部機能が利用できず

こちらも「Flash」を利用していた機能について、問題が発生したようです。

解決策がユニークです。
「上記サイトにのみ接続できる専用ブラウザ」をリリースし、「Flash」をサポート。
利用するための専用アプリをリリースしたようなイメージですね。

完全廃止は難しい

「Flash」廃止の告知自体は、2017年7月25日。
3年間の猶予があったわけですが、それでもやはり事件は発生します。

そもそも「Flash」→「HTML5」への移植は相当なコストがかかりますし、「そんなこと言われても・・・」状態です。

「無料で使えるから」というわけではありませんが、技術選択時に「その将来性や移行容易性」を考えておくのは、本当に大事ですね。
単純に「この機能が実現できるから」で採用すると、痛い目にあいます。

ただし、今回の事例で言いますと、当時「Flash」の将来性が疑問詞されていたかというと・・・
その当時に構築していて今回問題が発生したとすると、ある意味、相当長い間その技術の恩恵は受けていたケースなのかもしれませんね。

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One more thing

「Flash」は重い。(リッチコンテンツなので、データが大きい)
スマホの普及もあり、ブラウジングにはスピード感が強く求められるようになっています。

Googleの検索順位においても、2021年5月のアルゴリズムアップデートにて「ページ速度の優劣も加味して検索順位を決める」と宣言されています。
(いわゆる、SEO対策に大きな影響が出そうなアップデートです)

そんな大事な「スピード」ですが、スマホ用の機能として、Googleが提唱する「AMP」という規格があります。

、、、が、弊社サイトでその「AMP」をやめたお話を残しておりますので、ご興味ございましたらご参考くださいませ。

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