世間を賑わせた、コロナ接触確認アプリ「COCOA」の致命的なバグ。
Android版での不具合が発覚したようです。
仕様では、陽性登録したアプリ利用者の1メートル以内に15分以上いると接触を検知・通知するのですが、これが機能していないとのこと。
2020年9月28日のバージョンアップでこの不具合が発生したようで、事実上、意味をなしていなかったことになります。
(ver1.0は2020年6月19日にリリース)
むしろ、通知のみを信じると、逆効果ということもありえます。
今回は、アプリ品質などについて、考えてみます。
デグレードが発生
2020年9月28日のバージョンアップにて、ということですので、IT業界用語的には「デグレードが発生した」ことになります。
※デグレード:今まで使えていた機能が使えなくなること。「デグレ」とか「デグった」とか言います。
一般的に、「完璧な」デグレ発生有無の確認は難しいです。
少し修正しただけで、アプリ全部の機能を再テストするのは現実的ではありません。
そのため、改修した部分に影響があると判断した箇所の機能を確認するなど、知恵をこらして確認します。
つまり、ここに技術的な知見や、そのアプリそのものの構成、処理内容を知っておく必要があるわけです。
今回の大きな問題
開発体制や保守・運用の引継でバタバタもしていた、といった情報もあります。
また、COCOAアプリ自体、開発難易度が高いです。
AppleやGoogleの仕様変更に追従しないといけない、動作確認が難しい(秘匿性が高い、外部サーバーと連動する必要がある、など)、という性質があるためです。
とは言え「デグレの発生を完璧になくすのは難しい、仕方ないね」で終わるわけにはいきません。
今回のCOCOAアプリの場合、絶対に守るべきアプリ特性があります。
- 接触通知が動作すること
- 個人の追跡ができないこと
この2点においては、改修時に必ず確認すべき点です。
ましてや、画面のボタンの配置を少し動かした、というようなレベルではなく、プログラムコードを修正しています。
保守体制を変更している、といったドタバタ状況でしたら、なおさら稼働確認が必要です。
今回、何よりも問題のは「何を提供するアプリなのか」という至極当たり前の点が確認できていないということです。
開発責任者としてもそうですし、COCOAプロジェクト自体もそうです。
体制変更があったのなら、なおさら、その力量を確認するためにも「何をもって改修OKとしているのか」を細かく確認することが必要です。
正直、細かなバグは防ぎきれません。
迅速に改修すればよいでしょう。
しかし、そもそもそのサービスの根幹が守れていない。
「プロ」不在の体制。
そう言わざるをえません。
「COCOA」の利用状況
少し話は変わりますが、COCOAの利用状況が、厚生労働省から随時提供されています。
新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Applicat…
ダウンロード数は約2490万件。
陽性登録者数 約1万件。
(2021/02/05時点)
陽性者数 約40万人(2021/2/5時点)に対し、COCOAの陽性登録者 約1万人ですので、陽性登録率 2.5% ですね。
ダウンロード数は約2490万件とまずまずの数値ですが、あくまでダウンロードされた数にすぎません。
このうち、どれくらいアクティブ可されて使われているかは不明です。
(相当乱暴な計算ですが)陽性登録率 2.5%を使ってみると、約2490万 × 2.5% = 約62.2万件がアクティブ。
この件数ですと、そもそもほぼ無意味なアプリですね。
※資料より、このように解釈しました。
※解釈が正しいかは不明ですのでご了承ください。
なお、私はiOS版でアクティブにし続けています。
たとえ無意味であっても、これは使うべきアプリかなと。
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