【製品レビュー】最強のお手軽 電子書籍&メモ端末!BOOX Go7シリーズ

サッと電子書籍(B5版やマンガ)を読むのに最適なサイズ、7インチ。

私も愛用しているBOOXシリーズから、新機種が発売されました。

カラー版、モノクロ版(本体2色)と
どれにしようか迷うところですが、
今回、それらをレビューする機会をいただきましたので色々と試用してみました。

カラー版とモノクロ版の違いも含めて、参考になれば幸いです。

なお、当記事でご紹介の「BOOX Go 7」は、BOOXの販売代理店であるSKT株式会社様よりご提供いただきレビューを行っております。
ただし、内容に対する指示は一切なく、すべて私の意見を記載しております。

(あらためて)電子ペーパーの特性について

電子ペーパーって?

私は昔から”大の電子ペーパー好き”です。

ですので、その特性や使い勝手については
肌感覚として持っているのですが、
実は、世間的にはまだまだ知名度が低いのでは・・・と感じます。

触れる機会のない方にはないかもしれません。

身近なところだと、スーパーの値札で使うケースや、
最近だとサイゼリヤ(レストラン)の注文QRコードが表示されている小さなパネルも電子ペーパーですね。

電子ペーパー端末として有名なのは、Kindleや楽天Koboといった読書専用端末でしょう。

電子ペーパーとは、電子インクを使った画面のこと

電子ペーパーは、いわゆる一般的な液晶・有機ELのようなディスプレイとは異なります。
これらは電力を使って発光させています。

しかし、電子ペーパーに使う「電子インク」は全く性質が異なります。


ここからは、イメージの話です。
(技術的には正しくありません)

紙の印刷物にはインクが使われています。
イメージは、このインクです。

紙のインクは、もちろん印字したら色はそのままです。

しかし、電子インクは、
電気を与えると
インクの色を書き換えることができます。

昔は白黒でしたが、最近は4096色を再現できるカラーインクも登場してきています。

この電子インクを「電子ペーパーにひきつめる」ことで、
文字や画像を表現できるようにしたのが電子ペーパーディスプレイです。


この「電気を与えると書き換えられる」というところがポイントです。
つまり、電力がなくても、書き換えたインクの状態は変わらないのです。

この技術によって、利用者としては以下のメリットが発生します。

<メリット>

  • 圧倒的な省電力
    (原則、表示を書き換える時にしか電力を使わない)
  • 画面がまぶしくない = 目に優しい
    (発光するわけではなく、紙に印刷したインクと同じ感覚)

逆に、液晶ディスプレイと比較した場合、
以下のデメリットがあります。

<デメリット>

  • 画面表示の変更速度が遅い
    (最近はリフレッシュレート33Hzの機器も出てきましたが、
    比較するとまだまだです)
  • 発色に乏しい
    (フルカラー 1677万色にはほど遠い)
  • 発光していないので、暗い場所だと見えない
    (本と同じ)

※技術的な詳細や正しさは、以下のサイトが分かりやすいです。

E Ink技術

E Ink Holdings Inc. (8069.TWO), based on technology from MIT…

何に使えるの?

ディスプレイとして考えた時に、うまくハマる使い方があります。

そうです、「電子書籍」です。

  • 画面の表示切替が少ないため、書き換え速度が遅くても実用的に問題ない
  • 本のように、まぶしくない方が嬉しい

ということですね。
※あまり情報が書き換わらない、カレンダーや案内板(値札等も含む)にも適していますね。

今回レビューするBOOXについても、ベースは読書端末となります。

では、レビューに進みましょう!

BOOX Go7 Series

混乱する?ラインナップ

BOOXはラインナップの呼び方がよく変わる印象があり、混乱します。

現在の最新は、「Go7」と呼ばれる、
Go Color7 Gen2(カラー版)と、Go7(モノクロ版、本体色 白・黒)の3つです。

私も所有しているのですが、
その前に、カラー版のGo Color7 (Gen1)、モノクロ版のPage があります。

特に、カラー版が Gen2 と呼ばれるので、モノクロ版の呼び方と混乱するところですね。

今回レビューするのは、この最新の
Go Color7 Gen2(カラー版)と、Go7(モノクロ版、本体 白・黒)
の3つとなります。

大きな特徴

前機種との大きな違いは「専用ペン(BOOX InkSenseアクティブスタイラス)に対応した」点になります。

今まで、7インチサイズのBOOXはペンに対応しておらず、
今回ついに対応したこととなります。

なお、今回のレビュー機3つは
カラー・モノクロの違いを除くと、基本的には同じハードウェアとなります。

では、前機種との違いだけではなく、BOOX Go7自体の良い点・残念な点をお伝えしていきます!

良い点

ページ送り/戻りボタンは、やはり最強

まずは、この点につきます。

タッチパネルが普及してから
物理キー数が最小の端末が増えましたが、
やはり、物理キーは最強です。
(最近は、あのシンプルなiPhoneにおいても
アクションボタンやカメラボタンが増えてきましたね)

特に電子書籍を読むには、抜群の使い勝手です。
電車の中など、片手しか使えないシーンでも大活躍です。

この物理キーのためだけに本端末を使うのも
全然アリだと思います。

紙の本は両手で読むことが多いと思いますが、
7インチのBOOXであれば、完全に片手で読むことができます。

そして、さらに押しやすくなった

これは私の主観ですが、前機種に比べるとボタンがさらに押しやすくなったと感じます。

2つのボタンが離れて、クリック感にも深みが出たことから、
「指で支えながら、明確に押す」ということがしやすくなったと思います。

これは地味に素晴らしい改善点だと思います。

※前機種のBOOX Go7 Color (第一世代)。
ボタンが平たく、2つのボタンがつながっています。

Androidベースなので、Kindle書籍に限らず利用可能

BOOXはAndroidベースの端末です。
そして、Google Playも使えます。

※少し前は、米中問題の影響でGoogle Playを使うにはやや特殊な手順が必要だったのですが、
今は普通にGoogleアカウントにログインするだけで使えます。

Google Playが使えますので、
様々な電子書籍ストア(Kindle、Koboなど)、PDFアプリなども使用できます。

ブラウザも純正ブラウザに加え、Chromeなどもインストールできますので
ブラウザベースの読書も可能です。

私は自炊派ですので、Xodo(PDFに書き込みもできるアプリ)をメインに使っています。

ただし、ページ送り/戻りボタンは
各アプリとの相性もあり、
設定にクセがあったり、使えなかったりします。

ご自身が使いたいアプリがうまく動作するかは
お調べいただいた方がよいかと思います。

専用ペンの書き心地もGOOD

さて、今回の目玉である専用ペン「BOOX InkSense アクティブスタイラス」(別売)。

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私はApple Pencil、Galaxy Sペン、Wacomのペンタブレットなど、
デジタルペンについても様々なものを使用しています。

ですので、多少書き心地には少々ウルサイのです・・・
(蛇足ですが、紙には万年筆を使って書いています。)

さて、この BOOX InkSense ですが、
個人的には7インチ端末に対して
ちょうど良い塩梅のサイズ感(大きさ、太さ)だと感じました。

(使うアプリに依存しますが)
鉛筆やブラシを使うと、ペンの傾きで細くしたり太くしたりもできます。

手の持ち手に多機能ボタンがあるのもナイスです。
押しながら書くと消しゴムとして使える等、
使い勝手がよいです。

BOOXのペンにはペンのおしり(ペン先ではない方)が
消しゴムになっているものもありますが、
わざわざペンをひっくり返してまで
使うことはほぼないのです・・・
InkSenseはそのまま使えるので便利ですね。

画面との接触は、ハードタイプです。
Apple Pencil + iPad をお使いの方であれば、あの感覚に近いです。

個人的には、Galaxy Sペンの柔らかいタイプが好みですので、
この点は少し残念です。

BOOX公式から、専用フィルムも販売

今回、BOOXで初めてでしょうか。
公式の専用フィルム「Dedicated Writing Film」も発売となりました。

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BOOX Go7及びGoColor7Gen2用の保護フィルムとなります。ペンをご使用になる際に書き心地が固いと感じられる…

こちらも試用しました。

私は、いずれにせよ画面にはフィルムを貼る派です。
そのため、今まではサードパーティーのものを使っていましたが、
純正の商品があるのは嬉しいですね。

ガラスタイプではなく、ペラペラタイプのフィルムです。

このフィルムのポイントとしては、
ペンの書き心地を少し和らげることができる
少し柔らかめのフィルムということです。

ただし、はっきりいって過度な期待は禁物です。
多少ざらっとするかな?くらいの違いで、
ペンを書く時の”カツカツ感”はそうは変わらないと感じました。

やはり、この書き心地については
根本的にはペン先の質の問題かなと思います。


また、貼るのが結構難しいです。

最近は「貼る位置を合わせられるガイド付き」のフィルムを使うことが多いためか、
かなり苦戦しました。

気泡やホコリが入ってしまい、
位置を合わせつつ、セロテープで除去しつつ・・・と、手間がかかります。

結構大きめの気泡が残り
残念な感じになってしまったのですが、
数日経つと気泡は勝手に消えていました。
この点はGOODですね!

ただ、当たり前ですが
ホコリは残ります。

あまり良くないフィルムのような書き方になってしまいましたが、
フィルムとしては何も問題なく、
私が購入するのであれば
この公式フィルムを購入します。

3枚入りで1,230円と、価格も安いです。

メモ帳として、手元に置きっぱなしにできる

さて、読書以外の用途でいくと、メモ帳としての使い勝手が良いです。

電子ペーパーの特性とも相性が良く、
手元に置いておいてもまぶしくなく、電池持ちも良いので最適です。

最初から公式の「Notes」アプリが入っており、
このアプリの書き心地が抜群です。

ペン書きの遅延もほぼ感じず、
ペンのボタンを押しながらだと消しゴムにもなるので、使い勝手もヨシ!です。

なお、専用アプリ「Notes」の消しゴムは
「一連の線を一気に消す」タイプで、
例えば直線の一部だけを消す、みたいな操作はできません。
(Ctrl + z をするイメージ)


このメモ使いで
カラーペンを使いたいか、モノクロだけでよいか、は
端末選びに大きく左右するでしょう。

モノクロでもアプリ上はカラーを使えますが、
当然、その色分けはよく見えません。
(作成したデータ自体はカラーですので、PC等で見ればカラーで見えます)

この「Notes」は、BOOXのメーカーONYXの
ONYX Cloudを使って同期させることが可能です。
スマホアプリからも使えます。

なお、あくまで7インチは「メモ帳サイズ」です。
ノートのように使いたいのであれば、10インチ、13インチクラスが快適でしょう。

ITmedia PC USER

企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サ…

ITmedia PC USER

企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サ…

端末が軽い

端末自体は約195gと、サイズから考えるとかなり軽いです。

私が使用しているiPhone 16 Pro Maxは約227gですからね・・・

そして、ページ送り/戻りボタンを含むベゼル部分が太いのですが、
これが逆に持ちやすさに貢献しています。

本当に、読書するなら最適な形だと感じます。

MicroSDに対応

地味に嬉しいのが、MicroSDカードに対応していること。

2TBのカードまで対応していますので、
超大量の電子書籍の持ち運びもまったく問題になりません。

私の膨大な自炊PDFも、問題なくおさまります。

残念な点

フロントライトでも、目は多少疲れる

液晶ディスプレイのようなバックライトとは違い、
フロントライトは目の疲れはマシではあります。

ただ、電子ペーパーの最大のウリである「目に優しい」観点からすると、
あまり使いたくないなぁというのが個人的な感覚です。

光る以上、そういうものですので
致し方がないかなと思いますが、
寝る前の暗い部屋でフロントライトを使ってまで読むことはないかなぁ、というところです。

なお、カラー版の画面は、モノクロ版にの画面に比べると、実は暗いです。
そのため、明るい部屋でもフロントライトをつけないと
やや暗く感じることがあります。
カラーかモノクロかを選択する際の重要なポイントです。

Androidとして稼働させると、電池もそれなりに消費する

電子ペーパー自体は省電力なのですが、
稼働するのがAndroid OSです。

また、WiFi、Bluetooth、フロントライトなど、
それなりに電力を使う機能も搭載されています。

これらの使い方で、思ったより持たないぞ?と感じることがあるかもしれません。

とはいえ、普通のスマホよりは断然電池持ちは良いですが・・・

ウリのスマートボタンはもっとカスタマイズしたい

ここまで「ページ送り/戻り」ボタンと書いてきましたが、
正しくは「スマートボタン」と呼ぶようです。

このボタン、機能をカスタマイズできるのですが、
長押し時の機能を選択できる程度のカスタマイズです。

キーボード入力の割り当て(例えばスペースキーや、ショートカットキー等)ができれば、
様々なアプリに対しても
より便利な使い方ができるのですが、、、
ちょっと惜しいですね。
(Androidの制約も色々とあると思いますが)

※設定の一例。間違いなく便利ではあるのですが、それ以上の工夫がしたくなりますね。

専用ペンは充電が必要

残念ながら、充電が必要なタイプです。

BOOX本体からマグネット接続で充電・・・といった機能はありませんので、
USB-Cで充電する必要があります。

もっとも、本体もUSB-Cで充電する必要がありますので、
同時に2つとも充電してしまえば・・・という話ではありますが。

なお、専用ケースのホルダーにペンを入れると、
本体の充電口と重なり、邪魔になります。

これはちょっとイマイチだと感じました。。。

専用ペンのマグネット装着はナシ

本体につけておくことはできません。

専用ケースのホルダー付きタイプが最適解でしょう。

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片手で持てる軽量端末であるがゆえに、
カバーなしでペンも持ち運びたかったです。

※専用カバーは約106gあります。

専用ペンの書き心地は、アプリに依存する

これは致し方ないかもしれません。

上述した公式アプリ「Notes」だと快適なのですが、
他アプリだとペン入力が目に見えて遅延するケースがあります。

私はメモは「Obsidian」のExcalidrawというプラグインを
使ってカキカキすることが多いのですが、
この場合、目に見えてペン入力が遅延します。
※書けるのですが、ペン先の追従が遅く、後追いで描画されるようなイメージ

最も快適に使うのであれば、「Notes」を使うべきだと思います。

カラーにするか?モノクロにするか?

カラーとモノクロの違い

さて、ここまでで多少は違いを記載してきましたが、
結局のところ、カラーとモノクロのどちらの端末を選択すればよい?
という問題があります。

超ザックリ言うと、違いは以下となります。

<カラー版>

  • 4096色の発色が可能
  • ただし、カラー部分は150ppi、モノクロ表示は300ppiとなり、カラー部分の細かさがやや落ちる
  • フロントライトを使わないと、モノクロ版より画面が暗い

<モノクロ版>

  • カラー不可(ただし、グレースケール的な表現は可)
  • 300ppiでの表示

その他の性能は基本は同じです。

カラー版がすべてにおいて上位互換というわけではないので、注意が必要です。

最終的には、何に使いたいか?

ということで、単純にはカラー発色をとるか、完全なキレイさ(300ppi)をとるか、の選択になります。
(あとは、カラー版の方が5,000円高いです)

ここは、本当に利用用途によると思います。


個人的には、カラーは良いのですが、
カラーであるがゆえにキレイさを求めてしまいがちになり、
それならばiPad等で見た方がよいな・・・と考えてしまいます。

カラーとモノクロを見比べてしまうと、
カラー版の画面がやや暗いのも気になってしまいます。

モノクロは300ppiと表示もキレイであり、
電子ペーパーの最大の利点である「目が疲れない」を活かすのであれば
モノクロ版が良いかな、と考えています。

特に、電子書籍の利用がメインなので、そういう考えになりますね。


あとは、メモ帳としてカラーを使いたいか、ですが、
ノートとして使うのであれば10インチは欲しくなるため、
個人的には7インチでは使わないかなと思います。


また、ブラウザを使うかどうかもポイントかなと思います。
ブラウザを使う場合はカラー版がオススメです。
やはり、ウェブページは画像も多く、
文字色も重要な要素です。

電子ペーパーでのブラウジングは、目にも優しく、
就寝前のダラダラにもってこいです。

スマホ使用で寝付きが悪くなる方は
お試しいただくのもよいかもしれませんね。

総評

評価:★★★★☆

現在の電子ペーパー技術として、
できることは詰め込まれたBOOX。

電子ペーパーを使いたい・使ってみたい方にとって、
しっかりとした品質の端末となるでしょう。

前機種から比較しても、
スタイラスペンに対応したことにより
さらに電子書籍&メモに最適な端末となりました。

電子ペーパーをお持ちでない方で、
電子書籍を「目に優しく」読みたい、という方には
ものすごくオススメの端末です。

逆に、最近のBOOX端末をお使いの方であれば
スタイラスペンを除けば大きな差はありません。

ペンを使う用途がなければ、買い換えの必要はないかなと感じました。

お値段は、カラー版が44,800円、モノクロ版が39,800円。(ともに税込)
昨今のスマホの価格を考えると、
かなりリーズナブルなのではと感じますね。

※今、私が購入するなら、
モノクロ版のBOOX Go7 本体色ブラック + ペンホルダー付きカバー + InkSense ですね。

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