いつかは必ず来る、NASのデータ容量 空き不足問題。
しかし、NASとしての適切な使い方をしていれば、サービスを止めずに拡大することもできます。
(もちろん、そのNASがホットスワップなどに対応している必要はあります)
実施する機会がありましたので、メモを残しておきます。
やりたいこと
ストレージプールの容量が少なくなってきたため、容量を拡大する。
ストレージプールやフォルダ構成を変えることなく、そのまま空き容量だけを拡大。
HDDの空きスロットはないため、既存のHDDを差し替える形で大容量化する。
なお、ディスクはRAID1(ミラーリング)で運用中。
動作環境
- QNAP NAS HS-453DX
- QTS 5.0.1.2277 (作業時点最新)
- HDD 8TB ×2(RAID1) → HDD 16TB ×2(RAID1)
差し替えるHDDは「SEAGATE IronWolf Pro 16TB」にしました。
手順
RAID 1構成であるため、1つずつミラーリングしながら、新しいHDD2台に差し替わるように対応していきます。
ようするに、
1台差し替え → RAIDリビルド → もう1台差し替え → RAIDリビルド
という流れで行います。
最後に、目一杯割当することで完了です。
当機はホットスワップ(稼働させながら交換可能)に対応していますので、作業中もNASを普段通り使うことが可能です。
ダウンタイムゼロで対応できます。
※ファームウェアの更新等は再起動が必要ですが。
0.ファームウェアを最新化
念のため、ファームウェアやアプリを最新化しておきましょう。
1.ディスク1台目を入れ替え
管理画面より、
ストレージ&スナップショット > 該当のストレージプールを選択 > 「管理」
そして、再度「管理」から「ディスクを1台ずつ交換する」を選択します。
Disk 1 を選択し、「変更」をするとHDDを物理的に抜いてOKな状態となります。
※ディスクの順番は特に意味はありませんので、Disk 2からでもOKです。
さて、いよいよ物理的に交換です。
一番やってはいけないのは、抜き差しするディスクを間違えること。
ここは最大限注意するところです。
今回はDisk 1を指定しましたが、どこで見分けるのだろう、、、と思ったところ、筐体にしっかりとラベリングしてありました。
さすが。
物理的に差し込んだら、勝手にRAID1の再構築が始まります。(残したディスクから新しいディスクに全量コピー)
おおよそ、1時間で5%。
つまり、リビルドに20時間くらい・・・(ただ、待つのみ)
この間も、NASは通常通り使うことができます。
補足:速度変更ができました
リビルド処理ですが、優先度設定ができました。
ストレージプールの管理 > 最小リビルド速度
にて、優先度を変更することができます。
(リビルド中でも変更できます)
中程度だと100MB/s。
高速だと200MB/s くらいでしたので、2倍速でリビルドすることができます。
途中で気がついて変更したのですが、約20時間 → 約13時間 でリビルド完了しました。
2.ディスク2台目を入れ替え
1台目が完了したら、2台目を入れ替えます。
手順は1台目と同様ですが、間違えないようにDisk 2を対象に作業を行いましょう。
3.容量の拡張
3-1.RAID領域拡張
ディスクを入れ替えただけでは容量は増えません。
RAID自体の領域を広げる必要があります。
もう一度
ストレージ&スナップショット > 該当のストレージプールを選択 > 「管理」>ディスクを1台ずつ交換する
を選択し、今度は「容量の拡張」を行います。
RAID1化されているため、どちらのディスクを選択した状態で「容量の拡張」を選んでも問題ありません。
(当作業自体も1回です)
8TB → 16TBと+8TBでしたので、拡大にも約10時間ほどかかりました・・・
3-2.ボリューム領域拡張
これはボリュームの設定次第ですが、固定サイズボリュームの場合、こちらも拡張をする必要があります。
今度は該当のボリュームを選択して
アクション > ボリュームのサイズ変更
にて設定します。
拡大は10〜20分ほどで完了しました。(最適化含む)
以上にて完了です。
おつかれさまでした!
感想
非常に簡単な作業で、容量の拡大が可能です。
これがNAS、RAID1の威力ですね。
今回は拡大でしたが、片方のHDDが故障した時もRAIDのリビルドで対応できますので、メチャメチャ楽です。
(過去、HDD故障も何度か経験あります)
大きいHDDは(価格が)高いというのと、RAID復元するための時間がかなりかかる、というのが難点ですね。
また、あまりに大きいHDDにすると、故障時にまたその容量を工面しないといけません。
それなりのダメージを受けます・・・
※もちろんHDDに保証が付いているのですが、正直、使い勝手が悪いですね。
故障品を送って・・・などしている間は、方肺運用(HDD1台で稼働)となるので、それが故障したらオシマイです。
そんなリスクはとれないので、とりあえずはすぐに新しいHDDを入手ですよね・・・
びっくりしたのが、交換前のHDDにほとんど埃が付着していないことでした。
ファンレス機体だからかもしれません。
筐体の中まで掃除したことはないので、埃が入らないのでしょうね。
NAS本体が壊れるまではほぼ使い続けられる上に、本体の更新も比較的簡単に可能(なはず)です。
写真や動画のためにスマホの大容量モデルを買うくらいなら、
(どうせそのうちスマホも入りきらなくなるので)
NASを導入するというのは非常によい選択肢だと思います。
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