「ついに決済料金(振替)にメスが!?公正取引委員会がシステムベンダーを名指しで提言」というタイトルで昨年メルマガを発行しました。
今回のメルマガは「公正取引委員会」が2020年4月21日付で公開した「フィンテックを活用した金融サービスの向上に向けた競争政策上の課題について」についてです。 [blogcard url=https://www.jftc.go.jp/[…]
簡単に言うと「銀行振込の手数料が長年高止まりのままであり、他のサービス選択肢も事実上ないことから、独占禁止法上問題となるのでは」というお話です。
こちら、進展があったようで、全銀システムを運営する「全銀ネット」から手数料を見直す、との発表がありました。
「値下げする」方向のようです。
値下げ、バンザイ。
、、、それでよいのでしょうか。
今回の値下げ
他銀行に口座振込するには、手続きした銀行 → 全銀システム → 振込先の銀行 とシステム連携します。
この時に手続きした銀行に手数料が発生します。
これが、今までは(ほぼ事実上)3万円未満だと117円(税抜)、3万円以上だと162円(税抜)かかっていました。
(これに手続きした銀行の諸費用や利益が乗せられて、利用者に振込手数料が請求されるわけですね)
今回、上記の手数料が値下げ。
62円になる見込みのようです。
最終的に利用者の手数料がどのようになるかは各行次第となりますが、ここまで報道されていて手数料が全く変わらないというのはないと感じます。
1社独占のサービスの価格って?
もともと「独占的な立場で高額な手数料をとっていますよね」という指摘があり、値下げにつながっています。
しかし「競争環境にない」という点については何の解消にもなっていないと感じました。
「値下げする」ことで他社の参入障壁はさらに上がります。
投資しても回収できないため、投資するインセンティブがなくなってしまうためです。
ある意味「インフラ」と化しているサービスでもあり、色々と難しい問題です。
もし「全銀ネット」が止まったら、、、ということも、1社独占の弊害として考えないといけない点ですね。
(昨年の東証システム障害の件にも通ずるものがありますね。)
値下げといえば、携帯
インフラ関係の値下げといえば、携帯キャリア(docomo、au、softbank、rakuten)の値下げですね。
こちらも色々と問題をはらんでおり、その価格からも格安SIM(MVNO)は壊滅してしまうのでは、と言われています。
値下げは消費者からするとありがたい。
しかし、値下げすると企業は高い給料を払えなくなる。
結果、収入が減り、高額な商品は買えなくなる。
現在、日本で抱えている大きな問題だと思います。
本当の「幸福」は何なのか。
目指すべき方向性をしっかり考えないといけない時が来ているように感じます。
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