イヤホンの世界にも、AIを活用した付加価値のある製品が出始めています。
先日、以下の記事でご紹介した
「viaim」(viaim RecDot、viaim NoteKit)もその一つです。
企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サ…
そのviaimから、あらたにオープンイヤー型のイヤホン「viaim OpenNote」が発売されます。
発売前に試用する機会を得ましたので、レビューをお届けします。
なお、発売前の時点ですので、特にソフトウェア等は発売時と異なる可能性もございます。
ご了承ください。
おことわり【PR案件】
当記事はレビュー品をご提供いただき、本レビュー記事を作成しております。
ただし、レビュー内容に対しての指示はなく、全て私の意見、判断を忌憚なく掲載しております。
viaim OpenNoteって?
オープンイヤー型のイヤホン
オープンイヤー型のイヤホンに加えて、専用アプリ経由でviaimが提供する録音、文字起こし、翻訳等の機能と連動できる製品です。

普通のBluetoothイヤホンなので、iPhone、Androidだけではなく、WindowsやMacでも利用可能です。
日本国内にもアフターサポートのための拠点を設置するなど、日本での提供に対しても力が入っています。
なお、viaimはAIイヤホンのジャンルにおいて世界トップクラスに売れているとのことです。
(世界一という話も聞きますが、詳細データがまだ確認できませんので、こうした表現に留めています。)
目玉は、AIと連動した付加価値
専用アプリを介することで、クラウド(AI等)と接続してデータを活用することができます。
具体的には、音声を入口とした文字起こし、翻訳、要約、ToDoリスト化、マインドマップ化などです。
これらはviaimのクラウドで管理でき、様々な手持ちのデバイスやPCからアクセスできます。
こうしたviaimの機能は、既存の「viaim RecDot」などと同様です。
以下の記事もご参考くださいませ。
企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サ…
なお、AIを活用した文字起こし等の機能を使うには、サブスクリプションの契約が必要です。
(月600分までの無料プランもあります)
なお、AIのモデルはアプリから選択可能です。
このレビュー記事を書いている時点では、以下が選択できました。

なお、要約の方向性といった設定もできます。

「リアルタイム翻訳」という観点
さて、viaimの機能の一つに「リアルタイム翻訳」があります。
ドラえもんの「ほんやくコンニャク」のような夢のような機能ですね。
音声をリアルタイムでクラウドに接続し、利用者はブラウザ等から翻訳結果が見れます。
ただし、イヤホン単体でリアルタイムに音声が聞けるというものではなく、いわば、クラウドありきの機能です。

一方、先日、日本でも利用可能になったAppleのリアルタイム翻訳。(iOS26.1で利用可能になりました)
iPhone + AirPods で使える機能です。
こちらは、ローカル(つまりiPhone上)でリアルタイム翻訳を行い、翻訳した音声がAirPodsから聞こえます。
ローカルで使えるということは、ネットワークがない環境でも使えますし、外部に情報が流出することもありません。
私も早速試してみたのですが、完璧な精度を求めないかぎり、十分実用なのでは、と感じました。
※Appleのリアルタイム翻訳については、弊社のメルマガでも取り上げましたのでご参考ください。
ドラえもんの「ほんやくコンニャク」。 異なる言語でも翻訳されて聞こえる、夢のような道具ですよね。 生成AIの台頭に伴い、…
さて、ここからは私見です。
Appleがリアルタイム翻訳を実現したら、類似の製品(例えば当viaim)を使うメリットがなくなるのでは・・・と感じていました。
それくらい、Appleはシェアを持っていますし、AirPodsも相当普及しています。
しかし実際に使ってみて感じたのは「これらは用途が違うのだな」ということです。
Appleは、あくまでその場の翻訳。(ほんやくコンニャクが近いでしょうか)
かたやviaimは、ベースは「会議内容を見える化しつつ、記録として残す」という使い方です。
会議は、複数人が様々な言語で会話することもありえます。
そうした延長線上に、翻訳という補助がある。
そんなイメージですね。
これらは、併存できるでしょうし、適材適所で使えばよいのかなと思います。
良い点
イヤホンとしての質が、キッチリと作り込まれている
まず、イヤホン単体としてキッチリと作り込まれています。
Hi-Res認証取得のLHDC高解像度に対応しています。

オープンイヤー型なので、周辺の環境音や声はそのまま聞こえます。
ですので、正直、音質はそこまで気にしていなかったのですが・・・
かなり心地良く聞こえます。
「オープンイヤー型」なのが何よりの特徴!
当製品の特徴は、やはり「オープンイヤー型」でしょう。
カナル型のイヤホンは音は良いのですが、
私は超時間装着していると、どうしても耳の中がかゆくなってしまいます。
そのため、「音質を求めるのだったらヘッドホンを使うかな・・・」という感覚です。
※実際、ヘッドホンを使ってます。
また、「AirPods Pro 2」よりも、カナル型ではない「AirPods 4」の方が好みです。
この「オープンイヤー型」に魅力を感じる方には、かなりオススメです。
長時間装着していても、疲れない
非常に重要な点かと思います。
もちろん人によって違う部分はあると思いますが、私はメガネをしたままでも違和感ありません。

また、超時間装着していても「耳をフタしない」からか、快適です。
上述の通り、カナル型の場合、私は長時間つけていると耳の中がかゆくなりますので・・・
打ち合わせ等で使うことを考えると、こうした快適性は非常に重要なものとなります。
バッテリーの持ちも問題なし
イヤホン本体で最大19時間、充電ケース併用で最大53時間。
基本的には「必要だったら毎日充電すればいいじゃん」という考えなので、1日(日中時間帯)持てば問題ありません。
使っていて、バッテリー残量を気にすることはないですね。

イヤホン本体で録音開始
イヤホンセンサーをつまむだけで、録音を開始することができます。
スマホを操作せずとも録音できますので、とっさの時に便利です。
イヤホン本体にメモリを内蔵しており、ネットワークに接続されていなくとも利用可能です。
※この場合、翻訳等の機能の利用は不可
本体に録音したデータは、専用アプリで転送して確認できます。
本体単体で録音できるというのは、接続が不安定でうまく録音できなかった・・・といったリスクを大きく回避できますね。
なお、イヤホン本体のボタンは、曲の進む・戻るなど、いくつかの操作が可能です。

会議からのワンパッケージが魅力
viaimの一番の魅力は、AIと連動した機能でしょう。
音声を入口にしたビジネスの効率化。
つまり、会議の文字起こし、翻訳、要約、ToDoリスト化、マインドマップ化。
そして、これらはviaimを使うことで、プラットフォームを問わず1箇所に集約できます。
対面での会議もそうですし、Zoom、Teams、Skype、Webex、GoogleMeet、普通の電話など。
viaimを経由することで、すべてviaimに情報が集めることができ、後で活用できます。
現実的に、業務上、1つのアプリ(たとえばZoom)のみしか利用しない・・・ということは難しいケースも多いのではないでしょうか。
管理をシンプルにする、という点でも、この点は魅力的かと思います。

私は普段、ゲームに利用・・・
これは完全に私の使い方のお話ですが・・・
私は、Windows機でSteamのゲームをプレイすることがあります。
※最近だとドラゴンクエストⅠ・Ⅱをプレイしています。
その際、Windows機とOpenNoteを接続し、ゲームBGMを「ながら聞き」しています。
家族がいる場でゲーム音楽が邪魔するのもイマイチですし、自分は聞いていたい。
こうした使い方にはオープンイヤー型が適していますし、音質もよいため、心地良くプレイできます。

残念な点
ケースでのワンタッチ録音機能が省略された
不人気だったのでしょうか?
viaim RecDotにあった、バッテリーケースにあるボタンを押すと録音が開始できる、という機能がなくなりました。
これ、イヤホンを装着しなくても使えるため、ボイスレコーダーのように使えたのですよね・・・

多少、ケースが大きい?
気にするレベルではないと思いますが、AirPodsなどに比べると、ケースがやや幅を取ります。
オープンイヤー型なので本体が多少大きくなるのは仕方がないですね。

ただ、ヘッドホンに比べると(当たり前ですが)圧倒的に小さいです。
ワイヤレス充電はできない
最近のAirPodsであれば、ワイヤレス充電が可能です。
OpenNoteはUSB-Cでの充電のみです。
私はどのような形でも充電できるようにしていますので、特段不便は感じていませんが、人によってはデメリットと感じるケースがあるかもしれません。
AI機能を使うと、どうしてもセキュリティ面が気になる
これは、viaimに限った話ではないではなく、こうした仕組みを採用するサービス全てに言えることです。
クラウドと連動する機能となりますので、どうしても「そこにデータが転送されて大丈夫?」という点は気になってしまいます。
私も、当然お客様との打ち合わせで使うことはありません。
仕事以外でオンライン対話する際に使う形ですね。
なお、viaimの場合、AWSの日本リージョンに接続されるようです。
メーカー側も、こうした点は考慮しながらサービスを構築されているのだと思います。
総評
評価:★★★★☆
viaimとして、カナル型「viaim RecDot」とイヤホン型(当製品)「viaim OpenNpte」、そしてUSBタイプ型「viaim NoteKit」と、選択肢があります。
もちろん、どれでもバックエンドはAIと連動した様々な便利機能が使えます。
となると、どのタイプの機器を選択するかは、好みや利用シーンに応じて検討するのがよいでしょう。
まずは、viaimの会議周りを効率化する仕組みを導入するかどうか。
導入するのであれば、どのタイプの機器にするか。
そうした選択の流れでよいのではないでしょうか。
なお、各機器はviaimのアカウントに紐づきます。
複数個の機器で使い回しできますので、どれか一つしか使えない、ということはありません。
会社に1つ、自宅に1つ置いておく。そんな使い方も良いのではないでしょうか。
もちろん、イヤホンとしても高い品質である旨を添えておきます。


